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IKE・SUNPARKの近隣地域、東池袋・大塚・雑司が谷で長年愛されている場所と、新しい文化を生み出している場所、そこに携わる人たちの思いをご紹介しています。

 

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雑司が谷駅からほど近く、鬼子母神堂に向かう通りに、控えめながら目に止まる赤い看板を掲げるキアズマ珈琲。オーナーの高安宏昌さんは以前、新宿のコーヒーショップで働いていたが、自分のお店を始めることに決め、物件探しで雑司が谷を訪れたという。初めて雑司が谷に来たのは現在の店舗とは違う物件の見学のためだったが、その時に目に止まったのが、後に店舗になる場所だった。それは昭和初期に建てられた、レトロな雰囲気の建物で、漫画家の手塚治虫氏が住んでいた「並木ハウス」の別館にあたる。

しばらく経って、その物件が新たに売りに出されたことを知った高安さんはすぐに申し込んだが、飲食店利用ができない仕様のため断られてしまったそう。しかしその半年後、不動産屋から軽飲食業利用許可の連絡があり、晴れて2009年にキアズマ珈琲がオープンした。外壁や内部の補強工事はされているものの、昔ながらの風情を感じるその建物を見ると、高安さんが一目で気に入ってしまうのもうなずける。

レトロで静かな雰囲気を求めて、近隣地域外から来るお客さんも比較的多いそう。何より、この地域にとって欠かせないのは鬼子母神堂の存在だという。「雑司が谷はやっぱり鬼子母神が中心の街なので、10月にある御会式(おえしき)という行事には地元の人が集まります」。

御会式とは、毎年10月16〜18日に行われる日蓮聖人の忌日の法会だ。鬼子母神堂で江戸時代から続く伝統行事であり、高安さんも毎年参加しているそう。行事を通して地域の人と交わる機会が多いので、「周りのみんなの顔と名前がわかるっていう感じは、他の地域よりあるかもしれませんね」と高安さんは話す。

注文をしてからハンドドリップで淹れてくれるコーヒーの豆は、すべて高安さんが自家焙煎している。ストレートコーヒーの他、ブラジル産のコーヒー豆を中心としたオリジナルの「キアズマブレンド」も味わい深い。

元々コーヒーに興味を持ったきっかけを尋ねると、高安さんの祖父も喫茶店を営んでいたことを教えてくれた。当時は関心がなかったそうだが、気づかぬうちに影響を受けて育ったのかもしれない。店内の本棚にはSF好きの高安さんが集めた本のコレクションが並んでいるので、美味しいコーヒーを味わいながらSFの世界に浸るのもおすすめ

 

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キアズマ珈琲

住所:東京都豊島区雑司が谷3-19-5

営業時間:10:30〜19:00(水曜定休)

URL:https://www.facebook.com/kiazuma/

電話番号:03-3984-2045