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IKE・SUNPARKの近隣地域、東池袋・大塚・雑司が谷で長年愛されている場所と、新しい文化を生み出している場所、そこに携わる人たちの思いをご紹介しています。

 

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東池袋駅からすぐ、サンシャインシティやエアライズタワーといったビルが立ち並ぶ、イケ・サンパークからも程近い通り沿いに、突如現れるモッコクの木と、蔦が絡まる三角形の小さな建物。ここで6年前からカフェとギャラリーを営むのは、もともと音楽関係の仕事を手がけてきた高橋悠さん。

長年カフェなどの飲食店に勤めながら、フリーランスで企業などのプロモーション音源を手がける仕事を続けていたが、やがて自分の表現の場を持ちたいと考えるように。そして見つけたのが、自身の地元である東池袋のこの物件だった。高橋さんは、かつて栄えた商店街の人々に囲まれて育ち、学生時代も働くようになってからもずっとこの近隣に住まい続ける。以前は新聞配達所として使われていた建物内は、所々に当時の面影を残している。

「2000年代のカフェカルチャーが好きで」と、音楽半分、カフェ半分の、自分ならではの空間を作り上げた高橋さん。その独自の世界観やブラジルを感じさせるメニューを楽しみにやってくるお客さんだけでなく、音楽関係の人々が表現や交流の場としてここへ集まってきている。

1階でオーダーし、2階へ上がると、池袋の街なかとは思えない広々としたスペースが広がっている。壁一面には音楽やカルチャー関係の雑誌や書籍が並び、ピアノが置かれている。様々な弾き手がピアノを奏でることで、変幻自在の空間となっているのだろう。地下のギャラリースペースとあわせて、高橋さんにとってはもちろん、多くの人々が表現の羽根を伸ばす場となっている。

子ども時代から周辺で行われてきた再開発による地元の変化を目の当たりにしてきた高橋さんは、新しくできる公園と環境について「加速的にではなく、なだらかにみんなで変化していけたら」と話す。新旧の人々が入り混ざる地域では、急な変化を柔軟に受け入れていける人もいれば、そうでない人々もいる。「誰かにしわ寄せが及ばないようにだけなっていればいいなと思う」。

音楽を要に様々な人や文化が行き交うKAKULULU。店の目印となっているモッコクは従来は庭木のため、こんなに野性的に育つのは珍しいという。既存の概念にとらわれず変わりゆく要素が、かつてより佇み続ける建物と共存している姿は、まちの理想的なあり方のひとつを私たちに暗示しているようだった。

 

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KAKULULU
住所:東京都豊島区東池袋4-29-6 三角ビル
営業時間:火・水 11:30〜17:00、木〜土 11:30〜23:00
定休日:日・月・祝
URL:http://kakululu.com/
電話:03-6907-0652