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IKESUNPARKの近隣地域、東池袋・大塚・雑司が谷で長年愛されている場所と、新しい文化を生み出している場所、そこに携わる人たちの思いをご紹介しています。

 

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大塚駅の南口を出て、都電荒川線の線路沿いを少し歩いて左に曲がると、そこには立派な鳥居と狛犬像が静かにそびえ立っている。ここ天祖神社にまつられている天照大御神は、この地域の氏神様だ。境内に育つ樹齢600年の夫婦銀杏の木は、縁結びや夫婦円満のご利益があるという。また、子どもに授乳する狛犬像もあり、安産のご利益があるとされている。天祖神社のご神職は地域の歴史にとても詳しく、大塚やIKE・SUNPARKのある東池袋と神社のつながりについて教えてもらった。

かつて、ここ大塚駅周辺は「大塚」と呼ばれていなかったのをご存知だろうか。現在の巣鴨、西巣鴨、北大塚、南大塚、東池袋と上池袋の一部は、江戸時代まで「巣鴨村」という村だった。その範囲は、現在の豊島区の約半分を占める。天祖神社は、古くからその巣鴨村の総鎮守としてこの地を守ってきた。

旧巣鴨村における現在の大塚地域は、今と変わらず住宅地と歓楽街が共存する場所だったという。都心から少し離れた隠居地として、多くの著名人やかつては大名も邸宅を構えていたそうだ。当時は池袋よりも大塚の方が産業地として栄えていたため、東京メトロ丸ノ内線や東武東上線が、池袋ではなく大塚を終点とする計画があったという話もある。

大塚まで路線が伸びることによって都心に人が流れてしまうことを心配した商店街の店主や地主が反対して実現に至らなかったなど、諸説あるそうだが、そのおかげか大塚には今でも個人商店が多く栄えている。

話を聞いていると、IKE・SUNPARKの土地も天祖神社に所縁があることがわかった。公園ができる場所には2016年まで造幣局東京支局があり、その施設内には鋳物の神様をまつる「金明(きんめい)神社」という神社があったそうだ。戦後に造幣局内から神社を撤退させることになり、金明神社の神がここ天祖神社に移された。現在も社で預かられているほか、境内の手水舎や、本殿から向かって右側にある榛名社の狛犬像も、実は金明神社から移設されたものなのだとか。

このように地名が変わったり、人が移り住んだり、建物が建て替えられたりと、街の様子は時代によって変化する。そんな中でも、何百年と変わらない場所で街を守り続ける神社の存在は、地域の人々に安心感を与えている。

 

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天祖神社

住所:東京都豊島区南大塚3丁目3−49−1

URL:https://tensojinja.or.jp/

電話:03-3983-2322